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『はじめくんが冷静すぎるです!』
斎藤は落ち着かせるつもりが逆に怒られてしまった。
(冷静にならないと物事は解決しない)
『……そんなこと言っている場合じゃないです…ああ…小雪〜何処ですか⁉』
沖田は綿を掴んでは投げて小雪を探す。
そして…思いっ切り掴まれた小雪本人は驚いて爪をたてて引っ掻く。
『いづっ…ああ…いました…良かった…』
沖田は血が落ちることを気にせず、そっと抱き締める。
「にゃ⁉(なに⁉)」
斎藤は傷なんか気にしない沖田に驚く。
よく見ると沖田から見えている腕は、引っ掻き傷だらけになっていた。
それは稽古でもましては戦いでついたものではないのも分かる。
(お前…。総司、血が出ているぞ)
斎藤の言葉なんて聞いてないのか沖田は小雪の存在を確かめるように抱き締めて匂いを嗅ぐ。
「みゃー(くすぐったい)」
くすぐったくて沖田の腕の中で暴れる。
『もう…暴れないでください!また綿で見れなくなったらどうするつもりですか⁉』
「にゃー(大きい声)」
(総司、落ち着け。小雪が怯えてる)
『あっ…すみません』
沖田はシュンとして謝った。
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