小さな台風

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そのあと、みんなで散らかった綿を片づけていく。 『あー片づけ、面倒くさい』 (口より手を動かせ) そんな会話を聞きながら、小さな身体で少しずつ綿を運んで手伝う。 沖田は、そんな姿がやっぱり可愛いらしく、うっとり見つめたまま固まる。 あの斎藤すら顔に表情を出してひく。 それほど沖田の顔は見たことないぐらいに顔がにやけていた。 それを向けられている本人さえも寒気が走って綿を落として毛をたてて震える。 『はぅぅ…かわいいですぅ…はい、どうぞ。しっかり持ってください』 「にゃー(こわい)」 沖田から落ちた綿を受け取って逃げるように運ぶ。 だが、慌ててたのと前が見えていなかったせいで綿に足をとられる。 小さな身体は前へと体重がかかり、頭をぶつけ顔をぶつけて転がっていく。 それに気づいた沖田と斎藤は慌てて追いかける。
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