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「一条さん、おはようございます。
そろそろ発情期が来そうだから、今日の午後から部屋を移動しましょうか?
10日程部屋を取ってるので、欲しいモノとか使って欲しい道具とかあれば言ってくださいね」
担当医である佐藤の爽やかな笑顔が気持ち悪い
「抑制剤」
欲しいモノと言われ、素気なく外を眺めながら薬だけを所望する
「それはダメだよ。一条さんの身体に負担が掛かっちゃうからね
オレの心配をしてくれるのは嬉しいけど、ちゃんと樹の為に仕事の調整も出来てるし、安心していいよ」
僕を頭の先から指の先まで舐めるように見つめる視線が気持ち悪い
「今回もオレがずっと一緒にいるし、樹が満足するまでしっかり相手をするから安心していいよ
午後から移動するからそれだけ、忘れないようにしてね」
ヒラヒラと手を振って出て行く彼を睨みつける
此処に僕が来て、もうすぐ1年が過ぎようとしていた
「陽太、忙しいのかな…もうすぐ、発情期が来ちゃうよ…」
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