モカ 家族の絆

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 全くの無職というわけにもいかないのでモカも非常勤で教師の仕事をしている。教員免許はとっくに取っているし、通常の勉強であれば教えるのには問題がない。それに子供は好きだ。といってもモカも十五歳なので本来なら子供の部類なのだが。  いろいろな予定を詰め込みすぎてあっという間の二ヶ月だった。十五歳の誕生日当日に戦いに行ってしまったので、誕生日祝いもやっていなかった。  毎年誕生日は家に帰って家族で誕生日祝いをしていた。そのため今年はできなかったから家族からは「適当なところで一度帰ってきなさい、お誕生日祝いしよう」と手紙が来ていた。  そのため学校でなくてもできる仕事を持ち帰って今自分の自宅にいる。誕生日祝いに仕事持って帰ってこないでよと姉達からは呆れられたが。  モカが帰った日の夜盛大な宴会が行われた。小さな村なので家族はもちろん村のみんなもお祝いに駆けつける。ただ単に宴会をやりたいだけのような気もするが、この村で数少ない男子であるモカの誕生日だ。子供の誕生祝いは盛大にやりたいと言うのがこの村の考え方だ。  特別な子が産まれる家系なのは昔からの付き合いで皆知っている。特別扱いせず、普通に接して来てくれた優しい人たちばかり。  一晩ぐっすり寝て。さて、今日は朝からあれをやってこれをやってと考えながらベッドから起き上がろうとした時だった 「!?」  足に激痛が走り起き上がることができずその場にうずくまってしまう。 「いっ、たあ」  経験したことのない痛み。アリスと体術の修行をしていた時もこんな筋肉痛になった事は無い。しかも痛むのは膝あたり、関節だ。 (この間の戦いでかなり無茶な魔法の使い方をした。体に影響が出たのかな?)  いずれにせよかなりの痛みなのでこれでは歩くこともままならない。昔からモカ早起きなので、朝食の時間になっても起きて来なければ誰かが様子を見に来るはずだ。それまでに治るだろうかと膝をさする。  しかし痛みは治まることなく、寝坊なんて珍しいねと二つ上の姉が呼びに来た。そして事情説明すると、どうしたどうしたと他の家族もみんな駆けつける。 「お、伯父さん呼んでくる!」
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