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「僕のできる事は何でもやってみるよ。諦めたりしないから」
穏やかに笑ってそういうモカを母はぎゅっと抱きしめる。
「母ちゃんも諦めないよ。できる事は何でもやるから、今度はみんなで一緒にやっていこうね」
「うん」
そして体を冷やさないほうがいいからと着るものを持ってきたり、朝食を部屋に持って来たり。至れり尽くせりなところでショットが再びやってきた。
「わかったぞ」
「ほ、本当!?」
母や姉が全員詰め寄るように近寄る。それをかわしながらモカに近づくと、しゃがんでモカの目線に合わせて静かにこういった。
「確信が持てた。その症状は」
「うん」
何を言われても動揺しない、全て受け入れよう。そして立ち向かおう。そう思って真剣に次の言葉を待つ。
「成長痛だな」
「……。うん?」
聞き間違いだろうかと思って思わず首をかしげた。しかしショットはいたって真面目だ。
「だから成長痛。身長が急激に伸びるときに起きる痛みだ、ほっとけばそのうち治まる」
しーん、とあたりが静まり帰る。そして母はその場に尻餅をつき、ついでに三番目の姉も尻餅をついた。どうやら腰が抜けたようだ。
「な、なんだ……そっか」
「よかったあ!」
涙目で姉たちが喜ぶ。モカは相変わらずきょとんとしている。
「重い雰囲気で出ていくから、とんでもない病気なのかと思ったよ」
「仕方ないだろ、お前は特殊な存在だ。何も取りこぼしがないようにちゃんと調べようと思っただけだ。過去の事例や先祖たちに似たような症状はないかざっと調べてきた」
あっけらかんと言うショットに、姉たちは一気に脱力した。
「心配したよもう!」
「ちょっと私畑の様子見に行ってくるから! 水撒いてる途中だったの!」
「私もついでにお父さん呼んでくる」
姉たちがきゃーきゃーと盛り上がりあたりが少し騒がしくなった。そこでモカはこっそりとショットに小さく声をかける。
「本当ははじめからわかってたんじゃない?」
「当たり前だ」
あっさりと言う伯父にモカは驚く。
「説教兼、お仕置きだ。俺個人の感情含む」
「……。魂を、半分使ったこと?」
「あれしか方法がなかったし、お前の判断は正しいと思ってる。でも、それでもお前は命をずいぶん軽んじているみたいだったからな」
「それは……」
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