気になる生徒

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「で?お前何したかったんだ」 合流した鮫村は俺の話を聞くとため息をついて、目の前のコップを口に持っていった。 「だから、先生と生徒の関係に戻そうと「それを松坂は望んでいたのか?」 「望んでたかどうかは…え?なんで松坂?」 鮫村に相談はしたが名前は伝えていない。松坂の名前も平方の名前も1ミリもあげていないし、匂わせてもいない。確かに松坂に話を聞きに行くと話題が上がった時鮫村はいたが、今日いったことを知るのは、川口先生くらいだ。 「松坂がお前のこと好きなことぐらい昔からわかってたことだろ?てっきりお前も気づいてるかと……いや、お前に限ってないか。お前はだもんな」 鮫村はまた、呆れたように鼻で笑うと目の前の青に染ったカクテルを煽った。 「はぁ……じゃあ、もうなんでもいいから教えてくれよ。俺は今回何を失敗したんだ鮫村先生?」 「これで何度目だよ。お前のせいで泣くやつは」 でたよ、このセリフ。俺が人を振る度に出てくるこのセリフ。泣いた泣いてないそんなのきっと鮫村には関係ないのだ。振ったイコール泣かせたなのだから。いや平方はそんなこと言わずに泣かせた奴が多いと言ったか。 「俺そんなに泣かせてる?」 昔鮫村に言われた八割型俺に関わったやつは泣いてるって言う言葉を思い出す。あれは多少誇張が入っていたが、あれを言われた時は確か友達だった安藤と話さなくなったあの時だ。 「お前さ、誰かと喧嘩した記憶あるか?」 「いやないけど?俺ほら、怒らないで有名だったじゃん」 今まで俺は誰とも喧嘩した記憶は無い。多分。
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