『愛のため、さよならと言おう』- KAKKO(喝火) -

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49 w77  あと、オンライン上のHPに掲載されているプロではない作家の書いてる 作品のほうが遥かに面白いよね~。  たまたま面白い作品に当たらなかっただけかもしれないけど 自分には翻訳本のハーレクインはぜんぜんだめだった。  ハーレクインの中から良さげな作品があれば何か参考にできればと 思っていたのでガッカリだ。  実はハーレクイン本から何かプロットが閃かないかと考えていただけに ガッカリ感は半端なかった。  店を出ようと陳列されている本を眺めながら歩いているとふと氷室冴子氏の作品で昔図書館で借りて読んだことのある『なぎさボーイ』『多恵子ガール』……と並んで陳列本の中にある『北里マドンナ』に気付き、私は 吸い寄せられた。 『なぎさボーイ』『多恵子ガール』に番外編なるものがあったとは、 知らなかったぁ~。 あぁぁ、何という僥倖。  私は迷うことなく即座に購入した。  なぎさと多恵子の話には、ずっと納得のいかないものを抱えていた私は この番外編が二人の関係について私を納得させてくれる何かがちりばめられているのではと思ったからだ。  私は購入すると『北里マドンナ』を読むべく脱兎のごとく家へと向かった。  かっ、買い物……は、忘れた。  それどころじゃない、早く読まなければと。           ◇ ◇ ◇ ◇  番外編ともいえる『北里マドンナ』では、あのなぎさと親友で、 なぎさや多恵子たちとグループでつるんでた紫川こと北里のその後の恋バナが描かれていて、この中にでてくるなぎさは部活に一生懸命で、多恵子とも うまくいってるようだった。  なぎさと多恵子の間に割り込むようにしてなぎさの気持ちを自分のほうに 向けようとやっきになっていた槙修子も出ていて思わず『おいっ、出て来なくていいよ』と呟いてしまった。  なんと北里はその修子にLoveだったりしていた。 『えーっ、そんなの却下……却下……』  私は読みながら怒ったり怒ったりと感情の振れ幅はないが、心中穏やかではいられなかった。  ドキドキしながら急いで読んだのに『なんなの、これぇ~』    目の前にいない読者に向かって叫んでた。 7/ '24.8.7
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