20年越しの復讐

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2日後の日曜日。勝紀さんの葬儀・告別式が執り行われる市内の葬儀場に私に成り済ました留衣さんの姿があった。 「3年2組。旧姓増子。結婚して今は井戸川亜子です。村上くんは急用があるみたいで来れません」 受付担当の男性の顔が一瞬怪訝そうに歪んだ。遺族に軽く会釈し焼香するために祭壇へと向かった。 「増子亜子って誰だっけ?そんなのいたっけ?」 「村上って誰だっけ?」 私と清くんのことを覚えている人はほとんどいなかった。でも数人は、小学校の同級生はたったの6人。私と勝紀さんを除いた四人だけはうろ覚えだったものの私と清くんのことを覚えていた。 「ゴッホの自画像そっくりのアイツだよ」 「あぁ、気色悪いウジ虫ね」 ヒソヒソと小声で話すクラスメイト。私に化けた留衣さんは腸の煮えくり返る思いだったと思う。唇を噛み締め堪えた。 留衣さんはポーダブルカセットプレーヤーを握り締め、一般席の一番後ろの席に座った。 告別式が滞りなく無事に終わり、参列者による焼香の時間が来た。留衣さんは表情を引き締め一番最後に椅子から立ち上がった。
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