同棲のオワリ

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同棲のオワリ

三日後に帰ってくるということは二泊三日なのだろうか?っと、詳しい日程を聞きそびれたなぁと思いながら出勤した私は小田切課長にとんでもない事実を告げられる。 「……え、立花さんが…?」 「あぁ、昨日の帰り際…急に常務に声を掛けられて韓国に出張に行くことになったみたいだ。ほら立花は韓国語が話せるから、、」 昨日…私と部長が一緒に帰って仲良くハンバーグを食している間に立花さんの韓国行きが決まったというから驚きだ。 韓国語が話せるから同行して欲しい、というのは分かるが…どうしてこうも急なのだろうか。 ウチの専務は思い立ったらすぐ行動するタイプだと噂には聞いていたが…部長と立花さんが一緒に出張に行ってしまうのは物凄く不安だ。 「立花がフロアに居なければ、芳野も少しは息抜き出来るんじゃないか?少しの間だが、気楽に働けるといいな」 って、課長は私のことを心配してそう言ってくれるのは嬉しいが…正直同じフロアで仕事している方がマシだった。 何も起きませんように、っと願わずにはいられないが…自分も同じように韓国に飛ぶことなんて出来ないので大人しく仕事と向き合う。 しかし、昼休みに部長から届いたメッセージにより気分は少しだけ晴れた。 【韓国土産は何がいい?】 って…それは帰国した後も同じ家で彼を待っていていいよ、と言われているみたいで。嬉しくてモヤモヤした不安が一掃された。 お気に入りの韓国コスメや、空港の免税店で買ってきて欲しいものリストを作成してブランド物のバッグや財布の画像を大量に送り付けてやった。 もちろん、冗談だが…私を日本に置いて、立花さんと一緒に韓国に飛び立ったことに少しでも罪悪感を抱いて欲しくて、、嫉妬しているという気持ちを私なりに伝えたつもりだった。
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