同棲のオワリ

2/11
前へ
/182ページ
次へ
そんな私のメッセージに対する部長の返信は、、 【化粧品やブランド品のことは俺にはよく分からない。いつか海外旅行にでも連れて行ってやるから自分で欲しいものを選んでくれ】 なんて。一緒に旅行に行こうと言われたことが意外すぎて、照れ隠しに”キュンです”というプレートをウサギが持っているスタンプを送信した。 もちろん部長がそれに対して何かコメントをくれることはなく、既読がつけられて終わった私たちのやり取り。 それでも、たったそれだけのやり取りで午前中のモヤモヤは見事に取り除かれてしまったから不思議。 今日は早く帰って、部長の匂いが残るベッドに潜って早々に眠りにつこうと決めて…昼からの仕事もミスのないようにしっかりと頑張り、定時でタイムカードを打って帰宅する。 しかし、その道中で同期の苦手な女子社員たちに出くわしてしまい…「芳野さーん」っと何故か絡まれてしまった。 「お疲れさま〜…あのね、遅くなったけど…今度栞ちゃんの歓迎会をしようと思ってて。」 「芳野さんも同期だし!親睦会も兼ねて同期の女子だけで飲もうって話になったんだけど、、」 「グループトーク、招待してもいいかな?」 立花さんの歓迎会をするから来て欲しい、なんて誘われたことが意外だったが…親睦を深めたいと言われたのは素直に嬉しくて。 「もちろん、参加させてください」 っと、連絡先を交換して”同期女子トーク”というグループトークに招待されてすぐに参加した。 「ありがとう〜っ!また夜、連絡するね!」 「お疲れ様〜!!」 初めて声を掛けられたことが嬉しくて、笑顔で手を振って彼女たちと別れた。 しかし、送られてくる連絡を楽しみにしていた私は…部長の家に帰宅して夕飯を一人で食べている際に届いたグループトークのメッセージを見て言葉を失う。 「……なに、これっ…部長?」 信じ難い事実に手が震え、思わず持っていたスマホを床に落下させてしまった。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4073人が本棚に入れています
本棚に追加