レッスンのハジマリ

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いつまでも部長の上に乗っかって、彼の唇を塞ぎ続けていると…突然、力強く肩を掴まれたことに驚き…瞬きを繰り返している間に身体が宙に浮いて部長に抱き上げられていた。 「……お姫様抱っこ…」 「ここで続けるより、寝室に行く方が効率的だと思わないか?」 私を抱いたままリビングを出て階段を登っていく部長。成人女性を抱えたまま…なんて身体を壊したりしないだろうか? 「あの、私…歩きますよ?重いですよね、腰でも痛めたら大変なのでっ、」 「休みの日、予定がない日はジムに通ったりしてるから…沙奈を抱いて歩く余裕くらいはまだ俺にもある」 ちゅ…っと額にキスを落とされ、胸がキュンと高鳴った。……不意打ちの沙奈呼びは堪らんです。 寝室に入ってすぐ、ベッドに私の身体を寝かせた部長は部屋の照明を調節しているみたいで…一瞬明るく灯された明かりが、徐々に暗くなっていき、ムードのある間接照明へと切り替わった。 「……エッチなお部屋ですね」 「…そういう目的でこの照明を取り付けた訳じゃない。真っ暗だと俺が眠れないだけだ」 「可愛いです、ぶちょー…」 「今の俺はお前の上司ではないから。その呼び方はやめて貰えるか?」 「……そうでした、夜のレッスンでは私が主導権を握っているんでしたね」 身体を起こして、ベッドに腰を下ろしたばかりの部長に思い切りダイブして抱きついた。
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