ヒミツのハジマリ

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ヒミツのハジマリ

朝起きて─…部長が隣で寝ていることに一瞬驚いたが、すぐに昨夜のやり取りを思い出して恥ずかしくなり一人布団の中で悶えた。 ─…っていうか、朝からこんな尊い寝顔を独り占め出来るなんて…これは役得だなぁ、私。 なんて思いながらしばらく彼の寝顔を見つめたあと、起こさないように腕を抜け出して…勝手にキッチンを借りて朝ごはんを作らせてもらった。 昨日買い出しに行った際に購入しておいた食材を使って、簡単にお弁当のおかず作りを開始する。夜に部長の許可を得て、炊飯器のタイマーをセットしておいたので今日もマイ弁当を持参できる。 「……芳野、おはよう」 リビングに入ってきた部長に「おはようございます」と頭を下げると、その様子がおかしかったのか笑われてしまった。 「偉く早起きなんだな…」 キッチンにいる私の方へと足を運んできた部長。邪魔にならないように身体を避けてみるが…またしても笑われてしまった。 「……な、なんでしょうか」 「いや?可愛らしいなぁ…と思って」 グラスを手に取り、ウォーターサーバーで水を入れた後…空いた方の手で私の髪を撫でた部長。そのあまりに自然な流れに身体が硬直する。
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