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二〇六二年 五月二日
━着任記録━
岩橋
我々、政府特務危険生物処理隊が、本土より遥か遠く、南の果てに密かに浮かぶ、我が国固有の領土、田部ヶ島にて任務にあたってから、本日で十二日目となる。
今回の任務は、防衛隊の偵察機が、田部ヶ島上空より何度も発見したと言われる、大型の危険生物の存在確認及び捕獲である。
当該危険生物は、全長が三〇メートルを優に越す程の大型と聞いている為、確認はできたとしても捕獲は困難を極めるだろう。
隊長の私以下五名の隊員が、果たして無事に帰還できるのか、甚だ懐疑的にならざるを得ない。
上陸からこれまでの、十二日の間の収穫は、当該生物が食べたと思われる野生生物の残骸と大量の糞。
糞の大きさから推測できる当該生物の全長は情報よりも巨大だ。
そして、細長い爪の様な指を持つ足跡。
以上三点である。
南北に三十キロ、東西に十五キロと比較的大きな離島島であるものの、あれ程の大型生物が上陸から十二日、未だにレーダーにも掛からないのは不思議な事だ。
食料は一ヶ月分。後半月余りは活動できると思われるが、果たして、残りの期間で発見から捕獲までを遂行することが可能なのだろうか。
明日は、隊員を二組に分けて捜索活動にあたる予定である。
二組の構成は以下とする。
A班 岩橋(隊長)、早田、川西
B班 井田、高橋
明日も全員無事に基地へ帰還する事を祈って止まない。
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