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さて、今と言う時は瞬く間に更新されて行きますから、気の遠くなるくらい膨大な数の連続写真の中からたったの一枚を見つけるような作業になるのですが、今はその今、正に今です。
これまで汚泥は沢山のかつては命あった者たちの亡骸を取り込んできました。
取り込まれた者たちは、自らもまた汚泥の一部となり、その汚泥は更に多くの屍や、時にはまだ命ある者たちまでも飲み込んで、己が意思に関わる事なく、長い年月をかけて肥え太ってゆくのです。
やがてそれらは大いなる一つの意思を形成し、体内で沸々と細胞が分裂していくのを感じ、その音を聞くのです。
いつでも、遡ってみれば、生命の誕生とは斯くあるものなのかもしれませんが、ここにまた一つ、地球という名の一つの意思は、新しい命を誕生させるに至りました。
さて今、この時を以て、デリシャス怪獣ヘドロゲンの物語が始まりました。
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