深夜2時、逢瀬を重ねる

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「んっ、、新次郎さん、」 私のナカに身体を沈める彼は、その時の気分によって手を繋いでくれたりすることがある。 今日はまさにそのラッキーデイに当たったみたいで。繋がった途端に、恋人がするような繋ぎ方で私の指に自身の綺麗な指を絡める。 「っ…すき、」 溢れ出して止まらない思いが口から零れた瞬間、彼の唇が落っこちてくる。唇が離れる僅かな時間にすぐにまた、 「だい…すきっ、」 っと続けて愛の言葉を呟けば、切なげに笑っては再び唇を重ねる。 その度に身体の奥が疼いて私の中にいる彼のことを締め付けてしまう。でも、それが心地よいみたいで次第に早くなる律動に感情が高ぶる。 「……紬葵っ、」 彼に名前を呼ばれると、それだけで先に達してしまう私を見ては…とても優しい瞳を向けてくれる新次郎さん。 「あー…クソかわいーな、お前っ…」 身体も心も彼で満たされて、幸せいっぱいの私の中でビクン…と微かに彼が震えた直後、倒れ込んできた新次郎さんに唇を塞がれ激しいキスの嵐が降ってくる。 いつも思う。どうかこのまま夜が明けないで欲しいと…身体を重ねる度に願う。 「好き、です…」 っと小さく呟いた私の声が、彼に響くことは無い
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