深夜2時、逢瀬を重ねる

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「お前とアイツらの間にはもう何の関係もない。500万より価値のあるものをアイツらに譲ったのは事実だからね…その時点でお前じゃなくて、俺とのやり取りに変わってんだよ。紬葵が取引に関与した証拠なんてひとつも無い」 「……闇、取り引きっ」 「そんな物騒な言葉、迂闊に口にするな?まぁ、何が言いたいかって…お前が気負いすることなんてひとつもないって事だ。紬葵が金を借りてるのは俺だから、俺の言うことだけ聞いてろ」 ワシャワシャ、と髪を雑に撫でられているのに心はとてもポカポカした気持ちになる。 「……ケガ、しないでくださいね」 「名誉ある負傷、って言ってくれる?」 「ケガはケガです。新次郎さんが傷つくのは嫌です…約束してください」 「はいはい、淫乱ナースの言うことは絶対だもんなぁ?約束してやるから、お前も勝手にここを出ていったりするんじゃねぇぞ」 嫌な響きだなぁ、と思いつつも…約束を守ってくれるなら何でもいい。大人しくいい子で待ってるから、早く帰ってきて下さいね。
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