6人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
松本村につくと、一軒だけ騒がしい家を見つけた。
「あれが松下村塾・・・。」
「梅華も梅太もはじめてか。」
「そうだね。俺はとにかく初めて。文通はこっそりしてたけど。」
「お前は玄瑞か。」
「そうかもね。」
同年代と仲良くやれている梅太を見て安心していると、
「ここが松下村塾だ。」
晋作は大声で
「先生!高杉です!春川も来ました!」
というと返事を待たずにスパーンとドアを開ける。
眼の前には同年代の男子がずらりと並んでいた。
「お!高杉!来てたのか!」
「今来たんだよ!見えねえか?」
「あ、梅太じゃねえか!」
どうやら明倫館で梅太のことを知っているものも多いようだった。
何人か手を振っている。
奥に先生らしき人がいた。
「あなたが、春川梅太郎くんですか?僕は吉田寅次郎。号を松蔭と申します。」
へりくだった物言いが特徴的な人が梅太に頭を下げている。梅太もいそいそと頭を下げているのは圧巻だ。
「そちらのお嬢さんは?」
「俺の姉の梅華です。」
「春川梅華と申します。」
それが、私と松陰先生の出会いだった。
最初のコメントを投稿しよう!