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幼なじみ
真賀と大子は、小1からの幼なじみだ。
真賀はわりと普通の子で、成績が人よりちょっと良いくらい。
大子は、幼い頃の両親の不手際で、知能は普通なのに、勉強ができなかった。産まれた時から目がわるかったことに、両親は大子が小学校に上がるまで気づかなかったのだ。
真賀は、大子が好きだった。おばあちゃん家のような、いい匂いがしたからだ。実際、大子は祖父母と古民家のように大きな家で同居していた。
勉強ができない子の、教室での運命で、大子は男子からいじめられがちだった。とくに、牛乳瓶の底のように分厚い眼鏡と、吹き出物をからかわれていた。
女子とは、わりあい仲良くやっていた。いじわるする女子がいないわけではなかったが、大子が仕返しをすることはほぼなかった。いじわるされても、次の休み時間には、忘れたようにその子たちとおしゃべりしていた。
真賀が大子につきまとうので、二人は仲良しとみなされていたし、二人ともそれについて異存はなかった。
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