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補習だって
「じゃあ、号令お願いしまーす」
はあ、なんで俺はHRも英語も物理も生物もアリーナ席なんだ?まじ最悪。
3年B組、桐谷(きりたに)千紘(ちひろ)。アリーナ席の絶対王者。
「はいじゃあ始めていきます、早速ですが実験します」
よく目が合う先生っているじゃんか。物理の如月(きさらぎ)。あ、ほらまた目が合った。
「先生…何すか」
「ちひ……ん''ん''、桐谷、お前実験みんなの前でやるか?」
「ええ、なんで俺が」
「目合ったから」
こいつ、こういう理由で毎回俺指名してくるんだよな。あーアリーナ席まじ最悪。ほんっと最悪。
渋々黒板の前へ行くと如月に手招きされ、実験の内容を教えてもらった。そしてその後についでだけど、みたいな感じで言われた。
「放課後、ここで補習」
俺はもう物理に関して補習という言葉に反応しなくなっていた。俺は一応物理に関しては学年トップだ。よって「物理の補習」は本当の補習という意味ではないということを知っている。しかし、
「また?昨日もだったじゃん」
如月がちょっと赤くなって俯く。それが可愛くて、そして他のクラスメイトたちに慈(めぐみ)のこんな姿を見せたくなかった。
「いいけど」
急に顔色が明るくなる、そんなとこも可愛い。
「何イチャイチャしてんだ?はやく実験やれよー」
今やるってば!うるっせえ黙って見とけ。
「おい男同士のじゃれ合い見苦しいぞ」
その言葉を聞き、俺は体の中でカチ、とスイッチが入るのを感じた。
「お前、今何て」
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