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それからというもの、俺と慈は放課後、物理室に籠るようになった。他の生徒にバレないように…って言っても、もう既に一暁には知られてるし、もう意味ない気がするけど。
「めぐみ…」
「どした千紘」
かっこいい。俺、やっぱり元々慈のこと好きだったんだな。なんで男を好きになれるのとか言われても、好きだから以外に言いようがないよなぁ…。
「千紘?」
「んっ、はぁ」
「……ごめん、声入れないつもりだったんだけど千紘がそんなでっかい声出すから」
「撮っ…てる……?」
「うん、最初から撮ってるよー」
「あ…やだ……なんで」
「組長に見せなきゃだから」
あ、今の嘘だったね。慈は、嘘つく時に瞳孔をガン開きにするの。同時に目を逸らす時もあるけど。今回は瞳孔がめっちゃ開いてたから嘘だね。組長に見せるためじゃない…? じゃあなんで撮ってるの? もしかして、自分のため?
「俺、無理、理性保てない」
「もう…保ててない、よ……」
「かわよ…」
最近慈が末期だと思う。俺が何を言っても、何をしてても可愛いと言うようになってしまった。でもそれは俺だけなのだ。
え、てか、もしかして、俺らの関係は1人を除いて知られてないはずだけど、俺が知らないだけでもしかして他の人には知られてる、とかある…?
慈は俺だけに優しくしてるんじゃなくて、ほんとは…みんなに優しくしてるとか…?
もうダメだ、快感に頭占領されてて何も考えらんない。
「やだぁ、めぐみはっ、俺のだっ」
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