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俺の部屋
「俺の部屋近いからいける」
「どこ?」
「108」
「へえ」
慈の顔が少し残念そうに見える。もう何回やったと思ってんだ…。
「めぐみ、明日はやめよーぜ」
「…は?」
そんな軽蔑したような目で見ないで。俺、今日ので十分疲れた。
めぐみ…ずっと思ってるけど目、綺麗。俺、慈の目好きだよ。悩んでる時も、授業の時も、優しくしてくれる時も、野獣になってる時も…全部全部好き。
まだ何にもしていなかった帰る準備をして、寮棟へ帰る。俺の隣の部屋、なんかいつも夜うるさいんだけど毎日パーティでもやってんのかな?
俺、初めてこの部屋の鍵貰った時嬉しくて踊ったんだよな、1階だから校舎から近いし、忘れ物してもすぐ取りに行ける。忘れ物の多い俺としては最高だなって思った。
勢いよくドアを開けて部屋に転がり込む。そのままベッドにダイブ! これが俺の1年生の頃からの伝統だー!
帰ってからしばらくの間お腹が空いたことも忘れてスマホをいじっていた。スマホって時間溶けるよなあ。
コンコン
誰だ? ノックの仕方が結構丁寧なんだけど…。そんなやつ生徒にいるのか? 少し不審に思いながらも重い腰を上げ、そっとドアを開ける。
「はーい…………え?」
「すごい間抜け面。千紘、危機感ないね」
今日は…終わりじゃないの……? 生徒の部屋に先生が来るのは流石にやばくね? さっきのは俺が勝手に行った、ってことにすればいけるだろうけど…これは……。
「如月先生どうしたんですか?」
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