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気づいた本当の自分の気持ち
尊臣が亜香里に告白をされているのを目撃した日の夜、尊臣に食事に誘われたが断った。
それ以降も何度か尊臣にご飯に誘われていたが華はそのたびになにかと理由をつけて断っていた。久しぶりの日本、久しぶりの旧友、色々積もる話もあるのかもしれないが尊臣には好きな人がいる。そんな人と軽々しく二人でご飯にでも行って誰かに見られて噂でも立てられたら大変だ。尊臣の好きな人が誰だかは知らないが、誤解をまねきかねない。大切な友人にはぜひとも幸せになってほしいと思う反面、なぜか胸がもやっと晴れない日々を華は送っていた。
(なんなのかしら。この胸の詰まったような感じが続いて、風邪かしら)
自分のデスクに座りながら、自動販売機で買ったミルクティーを飲む。味覚はちゃんと甘いと感じるし、熱もない。咳も鼻水もなんの症状もないのに胸の辺りがもやもやとする。そしてたまに痛みを感じる。
(本当なんなのかしら……)
コクンとミルクティーをもう一口。うん、美味しい。もう一口と口元に運ぶと、華の胸ポケットでスマホが震えた。
「もしもし?」
急いで電話に出ると向こう側で慌てている声が聞こえてくる。状況を把握した華は勢いよく立ち上がり、駆け出した。
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