気づいた本当の自分の気持ち

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「ん、ここに華がいるような気がしたから。昔、誰もこなさそうな暗い場所でよく泣いてたのを思い出してさ。家のクローゼットの中とか」  そういえばそうだ。そうやって一人で泣いていると必ずと言っていいほど尊臣が見つけては泣き止むまで隣にいてくれた。華の泣き顔を見たことあるのは家族と尊臣くらいだ。  隣に座っている尊臣が華の肩を抱き寄せた。 「あっ……」 「俺なら、華に触れても大丈夫、なんだよな?」  尊臣は小さな声で確認を取ってくる。華はこくんと頷いた。本当に大丈夫なのだ。他の人に抱きしめられたら気絶してしまうくせに、尊臣なら大丈夫。全く嫌じゃない。尊臣に身体の半分が触れていても悪寒どころか安心と懐かしささえ感じてしまう。ビクッと一瞬強張った華の身体もすぐに柔らかさを取り戻し、そのまま尊臣の胸の中に吸い寄せられるように声を出して泣いた。  患者の死、尊臣にまた会えた嬉しさ、男なのに怖く無い。色んな感情がごちゃ混ぜになりながら華は子供に戻ったようにわんわん泣いた。  どのくらいの時間泣いたのかは分からない。 「華、荷物もってきてやるからここで待ってて。絶対一人で帰るなよ?」  尊臣に釘を刺されて華は小さく頷いた。
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