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「良かったわ~無事に目を覚ましてくれて」
「心配したんだぞ? エイミー」
(あ、いや……だからエイミーって誰? 私は倉橋萌(くらはしもえ)って名前なんだけど。どうなっているの??)
チラッと見ると心配そうに見ている幼い茶髪の男の子も居た。奇麗な顔立ちをしている。だが、萌はその男の子を何処かで見た事があるような気がした。
だが、それはしばらくして理解することに。ここが、あの人気小説の悪役令嬢モノである小説の世界だと知ったのは自分の容姿を鏡で見た時だった。
この顔は、どう見ても幼い頃のエイミー・ビアズリーの姿だった。小説はコミカライズでけではなくドラマCD化までされたから見覚えがあったからだ。
萌は小説好きで特に悪役令嬢モノが大好きだった。
いろんな本を読み漁ったが、その中でも『婚約破棄されたはずの悪役令嬢は隣国の皇太子と幸せになります』が最近のお気に入りだった。
どうやら、そこの悪役令嬢であり主人公のエイミー・ビアズリー公爵令嬢に転生しまったようだった。しかも幼い頃からのスタート。
このお話のストーリーは乙女ゲームだとなっているが、悪役令嬢モノなどでメインの主人公はエイミー・ビアズリー公爵令嬢だ。
『エイミーはバンフィールド帝国の皇太子であるラファエルの婚約者だが、男爵令嬢として引き取られた元平民のアンジェリアが魔法学園に転校してから一変する。ラファエルがアンジェリアに骨抜きにされてエイミーを蔑ろするように。
それだだけではなく、弟のノアや宰相の息子であるアーサー。神官のセオドアまでもが攻略キャラとしてアンジェリアの虜になってしまう。しかしアンジェリアは性悪女だ。エイミーにイジメられたと噓をつき、ひたすら悪女扱いするように。
もちろん婚約者であるラファエルやノアとアーサーは彼女の言葉を鵜吞みにしてエイミーを責め立てた。
そしてよりにもよって卒業パーティーで、ラファエルは婚約破棄を突き付けたのだ。
無実の罪を着せられたエイミーは悲しむが、そこに現れたのが隣国・アドコック帝国の皇太子・ルーカス・アドコック。
彼は秘密裏で国の情報を調査するためにバンフィールド帝国に潜入してきた。
この国に闇取引きが流出していると情報が流れているらしい。
そんな時、学園で落ち込んでいたエイミーを優しく接してくれていた。
黒縁眼鏡でダサい感じの男子生徒がルーカスだと分かり、驚くエイミーだが彼にプロポーズされる。
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