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「やぁ、久しぶりだね」
ゴールデンウィークに入り、スタジオで久しぶりに会った店長に声をかけられるやいなや、奥の席に通された。座った目の前には、大きな鏡がある。
待っててね、と言われたので、よく分からないまま待っていると、店長はすらりとオシャレな女性に交代した。女性は、失礼します、とひと声かけると、私の髪をいじり始めた。
何が起こっているのやら。
されるがままになっていると、あれよあれよという間に、髪も顔もメイクされていく。美しくなっていく自分にあ然としていると、手を引かれてまた別の部屋に通された。
そこには、虹があった。
正確には、虹のようなカラフルなウエディングドレスがたくさん並んでいた。
「どれがいいですか?」
店の女性にそう聞かれるが、何が起こっているのかわからない私がまごまごしていると、多くのうちの一着、濃いピンク色のドレスを身体にあてがわれた。オススメだそうですよ、と女性は言うが、誰のオススメなのだろう。
そのドレスは確かに私によく似合っていて、他のドレスも色々試してみては店員にも意見をきくが、結局オススメのピンクのドレスに決定した。
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