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『急募! 桜ウエディングフォトモデル募集!』
ある新しくできたばかりのスタジオが、SNSを使ってこんな募集をかけていた。アカウントは新しく作られたばかりで、フォロワーが極端に少ない。鬼気迫る文面は虚しく、全く拡散されている様子はなかった。
私がみつけたのも、たまたま、地元で検索したら出てきただけだ。
第三者からみたら怪しさ満点の投稿かもしれないが、SNS慣れをしている私には、それが本当に初心者の企業によるものだとわかった。
伊達に何年も映えを狙って投稿していない。どのような投稿は拡散され、どのような投稿は埋もれるのかもわかっている。そのスタジオの投稿は明らかに後者だった。
私はすぐにスタジオにアポをとった。だが、ひとつ大きな問題があった。
「え、彼氏いないの?」
対応した店長は、やはり、SNSなど普段全く使わなさそうなおじさんだった。悪い人ではないのだろうが、昔ながらのカメラオタクの写真家といった風貌で、私とは気が合わないかもしれないなと感じた。
「ダメですか」
「新郎役もいないとなぁ」
私はがっかりと肩を落とした。
若い綺麗なうちに、美しい自分の姿を残しておきたかった。いずれ、私も醜くなるのは認めざるを得ない。
「オレ、やってもいっすよ」
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