兄妹

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「バスティ」 「はい」 「明後日、奴隷市があります。バスティも同行願いたいのですが、セフィルはどうしますか?」 奴隷市… 「出来れば連れて行きたくは無いです…。」 けど、セフィルをここに1人で残していくのは心配だ。もし、俺を追いかけて来たりしたら、またどこかで捕まる。 「ここにいる方が安全ではあるんですけどね。奴隷市を開く場など、治安が良い所ではないので。」 「セフィルに説明しておきます。コタローとは言葉も通じるし。」 「セフィルも落ち着いてきてるので、大丈夫だと思いますよ。」 「はい。」 「とりあえず、この邸に2人ほど女性を増やそうと思います。そうすればセフィルも安心するでしょう。」 「ありがとうございます。」 畑仕事が出来る男より、セフィルの事を考えてくれると思わなかった。 「コタローが『セフィルが怖がらないように、先に女を雇えば?』…と、言ってたんですよ。」 「コタローが?」 「その発言を本人は深く考えてませんし、もう忘れてると思いますが。」 深く考えてないのなら、逆に凄いと思う。 「……コタローって、本当にレイモンドの弟子なんですか?」 コタローに聞けないからって、レイモンドに聞くのは卑怯かもしれない。 「違いますよ。」 「じゃあ、何でここへ来てるんですか?」 「バスティが私の教える事を全て覚えた時に言います。まぁ、そのうち本人が答えてくれるとは思いますよ。」 「でも…」 「コタローはバスティを『友達』と、そうセフィルに紹介していた。あれが、無意識に口から出た、コタローの本心ですよ。」 「俺もそう思ってもいいんでしょうか?」 「バスティは自身が友達だと思ってる相手に『友達だと思ってない』と言われたら、悲しくないですか?」 「悲しいです。」 「コタローもそうです。だから、聞きたい事があるなら、今度から本人に聞きなさい。私とトマスには何も教えてくれませんが、バスティには少しずつ教えると思いますよ。」 「はい、そうします。」
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