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謝罪
《欲望の神からの謝罪・魔法付与。タナカ・コタロウからの要望【説明】を開始します》
なんだ?どこからか声が聞こえてくる。
けど、目の前のオッサンは喋ってないし、幻聴か?
《タナカ・コタロウ、生成の神の手違いで死亡遅延》
シボウチエン?
志望…幼稚園…?
《蘇生処理を施した結果、タナカ・コタロウの肉体で生命維持は不可能と判定。よって、神からの謝罪・及びギフトが付与されます。》
意味が解らないうちに、どんどん進んでいくな。
《生成の神からの謝罪・代替肉体付与》
《悲運の神からの謝罪・新天地付与》
《忘却の神からの謝罪・記憶継続付与》
《権力の神からの謝罪・王位付与》
《守護の神からの謝罪・護衛付与》
《知性の神からの謝罪・同時翻訳および通訳付与》
《生成、悲運、忘却、権力、守護、知性、欲望、第七神からの謝罪及びギフトの付与を終了。》
…欲望の神がくれる魔法ってなんだ?
《タナカ・コタロウが目覚めて一番に要望した【説明】を付与しました》
説明?
他には?
《欲望の神からの魔法付与は一種のみです》
説明の魔法…
《今回の説明は謝罪と共に発動。これ以降は口頭説明を書面にて変更します》
勝手にショボくしてんじゃねぇよ。
《魔法発動条件は『取説』と唱える事。慣れれば条件を満たさずとも、必要に応じて取扱説明書が出現します》
これは現実なのか夢なのか、よくわからない。もしかして、俺は死んでないのか?
「……ているのか?」
「え?」
「聞いていなかったのか?」
ヅラのオッサンがさっきより鋭い目つきで俺を睨んでいる。
さっきまでの声と違うし、やっぱり今の説明はこのヅラのオッサンが喋ってたわけじゃないのか…。
とりあえず、今はヅラの話を聞こう。
「申し訳ありません。もう一度お願いします。」
「ジーク・アサフェルト、お前は我が統治領であるミクニレニアへ行け。わしが許可を出すまで、本土へ一切の立ち入りを禁ずる。わかったか?」
「はい」
ぜんぜんわからない…。ジークって誰だよ。
「話は済んだ。下がれ。」
「はい。」
ヅラのオッサンの格好、まわりにいる奴らの服装、甲冑を着た兵士…?。
欲望の神とやらの【説明】に場所の説明がなかったけど、地球ではない事は確かだ。
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