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2.脅迫電話
「麻美、しっかりして!誘拐ってどういうことなの?!」
ようやく落ち着きを取り戻した麻美が先程の電話について説明をした。
麻美の説明によると、今朝谷崎美久を誘拐したこと、明日の午後に谷崎家で次の連絡を待つこと、警察や学校に知らせたら美久の命は保証しないということだった。
「麻美、犯人はどんな声だったの?」
「それが機械音声だったからわからないわ。本当だったらどうしよう、エリ?」
麻美が捨てられた子犬のような瞳でエリの肩にすがりついてくる。
「まだそうと決まった訳じゃないんだから落ちついて。」と自分にも言い聞かせるように言いながら、エリは壁時計を見た。もうすぐ食堂で朝食の時間だ。まだ散歩から戻らないのは、時間にきっちりした美久にしては確かにおかしい。
「麻美、朝食は普段通りに過ごすのよ。美久は散歩ということにして、朝食が済んだらすぐ美久の家へ報告に行きましょう。普段通りよ、いいわね。」
2人は食堂に向かった。
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