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【深夜2時40分】
やっと事務所へ戻ってきた真田は明かりのついた事務所の扉を開けて中へ入る。
そこには黒いサングラスを掛けた柳と、自分の営業車の修理がどうなっているか心配で仕方ない現役の寺の住職である丹波が残っていた。
「おー、班長遅かったな。皆もう帰ってジョーもついさっき帰ったぞ」と、柳が話し掛けてくる。
ジョーとは一條の事であろう。
「そうか」
真田は柳の顔を見ながら返事をし、身体を左右に軽くひねってストレッチすると営業日報を付ける為に机に向かう。
そこに丹波が近付いて来る。
「班長、僕の車の修理は大丈夫でしょうか?」
心配した顔で聞いてくる。
「まぁ何とかなるだろ」と軽く言った後で、
「直らなければ仕方がない。うちの社長は過去に事故をした奴に修理代を払わせる為に、
肝臓を売らせたり………、
24時間缶詰め工場に入れて強制労働させていたが………」と嘘を付いて少し脅かせる。
「うううぅぅぅ…」
頭を抱えている丹波を横に置いて真田は営業日報を仕上げる。
【真田明4月7日営業報告】
営業時間15:50〜翌2:00
営業回数14回
走行距離103Km
営収税込27,200円
(営業中1番のロング→T市Y町からA市8,200円)
episode③(金、金、金)へ
https://estar.jp/novels/26187129
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