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エピローグ
朝6時。最近は早くに目が覚めてしまう。
その理由ははっきりとしている。
『ミホー、早く起きテ!ごハン!』
...こいつこそが私の早起きの原因である。
「はいはい、ちょっと待ってよ...私昨日も残業で、ちょっと疲れてるんだってば」
『ザンギョウ?どういうコトかわからないケド、とにかく早クごハン作レ!』
早く早くと駄々をこねるこいつは、なんと[天使]だ。
髪の毛は太陽に反射してキラキラと光る白髪、目はエメラルドグリーン...と言いたいところだが、残念ながら目の前にいる天使はそんな綺麗なもんじゃない。
なんと言うか、地味なのだ。髪の毛は黒。というか、漆黒。目はごくごく普通の目で、見た目は人間と大差ない。天使だと言われても、いやどこが?ってなるレベル。
しかし、こいつは天使なのだ。紛れもなく天使なのだ。
なぜならば...
『おい!ミホ!早クしなイト、羽をまきチラすゾ!?』
「うわ、それだけはやめて!あれ、掃除めっちゃ大変なんだってば!」
そう、こいつには羽が生えてる。...え?そんなこと言われても、文章なんだから見えないって?...そういう発言は控えておくんなまし。
こいつは羽だけが異常に綺麗だ。
なんというか、羽だけ別の天使から切り取ったみたいな?
『ミホーーーーーーー!!!いい加減ニしローーーー!』
「うわわっっっっ!」
ついに羽を撒き散らされてしまった。
これ、掃除機で吸えないんだけどなー...
さて、なぜ私が天使と日常を過ごしているのか。それは、一週間ほど前に遡る...
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