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そんなことが起きるたびに、私は幼なじみの鷹野大樹の顔を思い浮かべていた。大人になった彼と言うより、社会に出る前の彼だ。子どもの頃によく一緒に遊んだ大樹は、今では幸せに暮らしている。それに対して私は好きな仕事はできているものの、人生がイマイチうまくいっていない。
私はため息をつきながら、部屋の天井を見た。間接照明の明かりでオレンジ色だった。
「先輩……、あの……」
「なあに」
「僕、ですね。その……、先輩のことが好きなんです」
(続く)
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