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わざわざわざとらしく演技を入れながらさらにたたみかける。
「とにかく!」
そう言って大樹に向かって人差し指を向けた。
「次連絡来たら、間違いなく金貸せって言ってくるから。きっちり断りなさいよ! 特に酒が入って『私酔っちゃったー』とか体をもたれかけてきて『お願いがあるのー』なんて、言ってきたら赤信号よ。絶対要注意なんだからね」
「まあ、そうだな。気をつけるよ」
大樹は不機嫌そうだった。でもそれでいいと思った。そうでなければ、大樹も彼の奥さんも子どもも不幸になる。それは私にとっても不幸だからだ。
その後、私たちは退店し、別れた。
(続く)
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