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監視カメラの映像は薄暗いままだった。一人の女性が足を引き摺りながら何かから逃げている。
その後ろの闇から現れた見知らぬ男が女性を連れ去るまで、それほど時間はかからないだろう。
カツン。カツン。
通路を誰かが出口を探してさ迷っている。
カツリ。
誰かがふと、壁の上を見た。視線を感じたのだろうか、誰かは何かを探しているようだ。そして、見つけた。
一つの目玉から発せられている複数の視線を。
監視カメラの向こうでは何人かの男女が助けを求めている。だがその声は通路には届かない。
「なんだ、ただの監視カメラか」
誰かは去っていった。
その様子が映し出される画面の向こうではどんなことが起きているのだろう。
扉は閉められたままもう開くことはない。
扉の向こうから、今夜もタノシソウなパーティーの声が聴こえてくる。聴こえてくる、だろう?
だが聞かなかったふりをしなければならない。あなたがもし、招待状を持っているのならば。
あなたに出来ることは、何もないのだから。
終わりのないパーティーの悲鳴が其所には閉じ込められている。
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