My dool

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My dool

ようこそ来られた。パーティーの主催者である誰かは声にすることなく笑った。 ある日、彼らのもとへと招待状が贈られた。差出人不明のそれはタイプライターで書かれた時代遅れの物である。 招かれたパーティーがどんなものか。何のパーティーなのか。 ゲストである彼らの中でそれを知る人はいなかった。 たった一枚の紙切れである。そんな誘い、無視すればいいだろう。集まった彼らは互いにそう言った。そう言いながらも来ているではないか。彼らは笑った。 ゲストたちは繋がりが一切ない若者だった。大学生くらいであろうか。接点はない。出身は。専攻科目は。 彼らは初めて会った赤の他人であった。 招待状に記載されていた場所と時間に現れたのは数十人のゲストとなる若者たちである。男性もいる。女性もいる。中にはどちらとも言えない性もいる。 彼らに繋がりはない。共通点は手の中にある得体の知れない招待状である。そこからは主催が誰なのか判断することができない。ペンで書かれたのではなく、タイプライターで文字が打たれたそれは酷く無機質であった。 記された日付は彼らがそれを受け取った次の日である。中には予定をキャンセルして出向いた者もいるだろう。それほどの価値がこのパーティーにはあるのだろうか。 彼らは皆、ただの興味で足を向けただけなのかもしれない。それとも日常に飽きたことからのふとした好奇心がそうさせたのだろうか。 彼らが集まったのは一枚の扉の前であった。看板が出ていれば、質素なバーかスナックの入り口にも見えたかもしれない。 大きなショッピングセンターの中にある賑やかな店。行列すらできる人気のそれを通り過ぎた。その先にある明かりの消えた空き店舗になど誰も気にしない。彼らは招待状に記載されていたからこそ、その横の小さな通路を見つけることができた。 ライトがなく、狭い路には占い師がまじないをしていてもおかしくない雰囲気が漂っている。 そんな通路の行き止まりにその扉はあった。 何かに選ばれた彼らは、その扉を潜った時に「ゲスト」となったのだ。
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