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「おー、懐かしい眺め」
「さっき窓から見えた観覧車だ、わっ近くで見るとさらにデカい!」
日曜日。シャナの希望でネルを連れ出したふたりは、海の見える遊園地を目指した。
広い駐車場に車を停めて精緻なコンクリートに降り立つと、車窓から見た巨大観覧車が目の前に聳えた。
雲ひとつない空にジェットコースターが龍のようにうねり、その背を滑り降りる人々が規則的な歓声を上げる。
本当に夢にまでみた光景が目の前に広がっていた。
嬉しい。けれど怖いような心地に襲われて、シャナの足はにわかにすくんだ。
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