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ため息をついて、寝不足でふらつく頭を押さえた。
シャナは一人では眠れない。
まだミルクが必要な時分から小学校卒業に至るまで、夕方から朝までの長い時間をベビーホテルや24時間の保育施設で過ごした経験のせいだ。
シャナの母は、シャナを生み落として間もなく亡くなった。頼るあてのなかった父は、高額な料金と引き換えに、夕方から朝にかけてシャナを保育施設に預けた。
そうまでしてシャナを手元に残し、児童養護施設に預けなかったのは、不器用な父なりの愛情だったのだろう。
父は優しかったが、いつも疲れていた。
家から施設、施設から学校への片道切符。
それが父と過ごした思い出の全てだった。
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