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しばらく景色を堪能し、彼の機材をチラ見しながら一旦駐車場まで戻る。日が暮れ始め、駐車場には何台か車が増えていた。
わたしは車内でコンビニで買ったおにぎりを食べ、星の動画を見ながら時間が来るのを待つことにした。
わたしが天体観測に本格的に興味を持ったのは、小五の時だ。
テレビでペルセウス座流星群の映像が流れた。当時、天文に関して素人だったわたしは、単純にその美しさに心を奪われた。
流星の正体は、彗星からこぼれ落ちた砂やチリが、地球とぶつかった時に燃えて発光する現象。それを地上から見上げると、人を惹きつける神秘的なものに見えるわけだ。
どんなに美しく見えるものも、その正体は意外に矮小なものだったりする。わたしはまず、その事実に感動した。それ以来、わたしは毎晩のように夜空を見上げる少女となった。
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