1 繭

1/16
41人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ

1 繭

【ファイル-04】 (被害者):佐伯(さえき)悠実(ゆうみ) 都立✕✕高校三年生 (発見場所):自宅自室(ベッド下より発見) (発見時刻):✕✕年10月17日 朝7:30 (発見時の状況):繭状の糸のようなものに全身を包まれた状態で発見。発見者は被害者の母親。繭の中から娘の髪の毛の一部が出ているのを発見した母親が警察に連絡。救急車が駆け付け繭を切開して救命処置を行うも、発見の時点ですでに呼吸停止。死後硬直が始まっていた。 (死因):窒息死。喉の奥から繭のものらしき糸状の物質が発見。 (死亡推定時刻):死後硬直の時間から判断すると、当日の深夜2時頃に死亡したと推測される。 【ファイル-05】 (被害者):小野寺(おのでら)美鈴(みすず) 私立✕✕高校一年生 (発見場所):自宅浴槽 (発見時刻):✕✕年11月8日 夜9:00 (発見時の状況):浴槽の中で、繭状の糸のようなものに全身を包まれた状態で発見。発見者は被害者の妹。前述のファイルー04の被害者の状況と酷似。ただし、発見時の繭の全長は約60センチほどになっており、遺体は全身が骨折して折りたたまれた状態であった。 (死因):脊髄骨折、またそれによる内臓損傷、心臓破裂。 (死亡推定時刻):本人が入浴のために浴室へ行ったのは夜8時頃のため、夜8時~9時の間と推定。 【ファイル-06】 (被害者):秋津(あきづ)(かなで) 私立✕✕高校二年生 (発見場所):✕✕公園 (発見時刻):✕✕年11月13日 夜11:00 (発見時の状況):前日昼頃から行方不明になり、当日には家族より捜索願いが警察に提出。自宅周辺を探した家族(父親)により、繭状の糸のようなものに全身を包まれた状態で発見。ただし、繭の中の遺体はほぼ皮膚が溶解した状況になっており、骨格から内臓が露出している状況。顔の判別もつかなかったが、DNA鑑定の結果、本人と一致。 (死因):不明。 (死亡推定時刻):遺体の損壊がひどく、不明。ただし遺体の状況から、行方不明になった当日には死亡していたと推測。 (補足):これほど短時間で人間の身体が溶解する現象の報告はこれまで無し。 【ファイル-12】 (被害者):■■■■ (発見場所):■■■■ (発見時刻):■■年■■月■■日 ■■ (発見時の状況):■■■■ (死因):■■■■ (死亡推定時刻):■■■■ (補足):機密事項のため、黒塗り部分は開示不可。         (検死報告書より一部抜粋)
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!