憧れの舞台

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 左頬の頬骨に沿うようなかたちで残る傷跡。それで僕は彼が吉田であることを認めた。 「ああ、吉田、なんだな……。まさかこんなところで会うなんて。久しぶり」 「だれかと待ち合わせしてるわけ?」  吉田に聞かれ、僕は友人を探していたことを説明する。香川と門田。僕が探している友人だ。 「じゃあ一緒に回ろうぜ。ついでに探してやるよ。あいつらなら俺も知ってるから」 「いやいいよ。自分で探すから」 「え、なに。猿渡は、俺を仲間はずれにするつもり?」 「いや、そういうわけじゃないけど」 「だったらいいじゃん」 「う、うん」  吉田の有無を言わせぬ口ぶりになぜか僕は魂を縛られたみたいに素直に返事をしていた。
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