受け視点

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受け視点

 今回の依頼は遺跡内で魔物の討伐だった。学者たちは最近見つかった遺跡を調査したいが、魔物が多くて中に踏み込めない。そこでギルドに依頼が入った。  早朝に遺跡に入ったというのに、全てが終わって出ると、すでに空は茜色に染まっていた。 「イル、今回も良くやった」  大きな手に頭を撫でられる。仰ぎ見ると、アランさんが優しく微笑みかけてくれた。  低い位置で纏められた腰まである銀の髪が夕日に染められて煌めく。涼しげな空色の瞳に魅了されたように視線が外せない。  アランさんカッコいい。アランさんに褒められただけで、先程までの疲れなんて一気に吹っ飛んだ。 「イル、おいで」  アランさんに手を引かれる。その身体にきつくしがみつくと、俺の肩に腕を回して引き寄せる。華奢に見えるのに触れると逞しい身体。カッコ良すぎて目眩がする。 「イル、俺から手を離すなよ」 「はい!」  アランさんが呪文を唱えると身体がふわりと浮く。風の魔法で空を飛び、拠点であるギルドの街に急いだ。  魔法が使えなくて良かった、と思えるのがこの瞬間だ。アランさんに何の気兼ねもなく抱きつける。 「辛くはないか?」 「はい、大丈夫です」  擦り寄ると、そうか、と返された。  
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