14人が本棚に入れています
本棚に追加
角度を変えるたび、漏れる声が抑えられない。気持ち良すぎてアランさんの舌に身を任せる。
キスってすごい。他のことなんて何も考えられない。
アランさんの背中に腕を回して、拙いながらもアランさんの舌に絡ませる。
夢中で舌を舐め合っていると、アランさんが動きを止めた。力が抜けたように、体重を俺にかける。正直重い。
もしかして寝た? この状態で?
顔を押さえていた手も役目を放棄していたから、逸らして舌を引き抜いた。アランさんの身体を横に押し除ける。先程まで口内で舌を貪り合っていたとは思えないほど綺麗な寝顔だった。口の周りに付着した唾液だけがキスの痕跡。それをティッシュで拭った。自分の口周りも。
これからどうしようか。目は冴えてしまった。
今日はアランさんの部屋にお泊まりしてもいいかな? 睡眠中も結界を張られるから、私室に忍び込む事も出来なかった。このチャンスを逃したら、次は俺が自力で結界を破った時だろう。自分の欲のまま、アランさんの隣に横たわった。
俺、好きな人と一緒に寝てる。大人になったって事だよね。
アランさんがこちらに寝返りを打とうとするが、俺がいるから側臥位で止まる。手のひらがお腹の上に乗った。服の中に入ってきてギョッとする。直にお腹を撫でられて少しくすぐったい。身を捩るとアランさんの胸に顔を埋める形になる。腰に腕が回って引き寄せられた。
アランさんの腕の中にいる。今日は眠れそうにない。そう思っていたのに、アランさんの心音と温もりが心地よくて、夢の中にスッと落ちていく。
最初のコメントを投稿しよう!