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そして花火は打ちあがる
Nあd83 年後
夏祭りの日がやってきた。
私は***の***にきて、そこで私は******
そして****
「ぉーぃ」
***が聞こえた。誰の声だろう。私は****
****しに*****
「ぉーぃってば!」
懐かしい姿だった。
私の記憶が覚醒する。かつてこの姿の子をみたことがある。確か名前は
「夕子」
「夕子。なるほど、それがこの子の名前ね」
違う夕姉じゃない。夕子の体をしているものの、その雰囲気はどこか夕姉とは違う、柔らかさがあった。
「あなたの記憶にアクセスしてここにきている。この体を使っているのは、あなたとコミュニケーションを取るため」
ああ、私は安堵する。私はついに届けられたんだ。人類が託したメッセージを。この宇宙人に。
そう思うと、夕子は何故か笑みを浮かべた。
「私の作者は宇宙人じゃないよ。れっきとした地球人」
どういうことだろう。隕石の情報は私も知っている。あれだけの規模の隕石がぶつかって、人類が生きているはずはない。
「たしかにホモサピエンスは絶滅したよ。だけどその一部は、極寒の地球を耐えぬき進化したんだ。プリウスサピエンス、次世代の人類にね」
夕子は胸を張る。
「そしてかつての人類の技術を受け継ぎ、ここまで追いついてきた。君の旅は、無駄じゃなかったんだ」
無駄じゃない。その言葉に心からの安堵があふれる。
私は目をつむる。伝えたい言葉がある。届けたい記憶がある。
だけどまず、この人に見せたいものがある。
「ねえ。夏祭りって知ってる?」
きっと今年の花火は、とても綺麗なものになるだろう。
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