1人が本棚に入れています
本棚に追加
夏祭りがはじまる
どこか懐かしい音楽が聞こえる。
なんだろう?
目を覚ますと、私は布団の上で寝ていた。和室の障子は開け放たれ、空には星が見える。あたりはすっかり暗くなっていた。
何かを打ち付けるような音と、笛の音が、闇の向こうからこだましている。
祭囃子だ。
もう夏祭りは始まったんだ。
「気がついた?」
私の横に夕姉が座っていた。
「体の調子はどう?」
「大丈夫」
「じゃあ祭りに行かない?」
夕姉の言葉に私は頷いた。
夏祭りは村の神社で行われる。爺さんの家から北のほうに進み、小高い丘を上った先にある。
星が瞬く夜空の下、神社に近づくとすでに多くの人がいた。
神社の境内に行くと***が***していた。
*が話しかけてきて***は***
頭が痛い。
何か赤いノイズまじりの渦が見える。これはなんだろう。私は知っているはずだけどわからない。認識ができない。思い出せない。
「***」
「***」
「私は……」
糸が切れるように、私の意識は闇の中へと消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!