夏祭りがはじまる

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夏祭りがはじまる

 どこか懐かしい音楽が聞こえる。  なんだろう?  目を覚ますと、私は布団の上で寝ていた。和室の障子は開け放たれ、空には星が見える。あたりはすっかり暗くなっていた。  何かを打ち付けるような音と、笛の音が、闇の向こうからこだましている。  祭囃子だ。  もう夏祭りは始まったんだ。 「気がついた?」  私の横に夕姉が座っていた。 「体の調子はどう?」 「大丈夫」 「じゃあ祭りに行かない?」  夕姉の言葉に私は頷いた。  夏祭りは村の神社で行われる。爺さんの家から北のほうに進み、小高い丘を上った先にある。  星が瞬く夜空の下、神社に近づくとすでに多くの人がいた。  神社の境内に行くと***が***していた。  *が話しかけてきて***は***  頭が痛い。  何か赤いノイズまじりの渦が見える。これはなんだろう。私は知っているはずだけどわからない。認識ができない。思い出せない。 「***」 「***」 「私は……」  糸が切れるように、私の意識は闇の中へと消えていった。
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