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葉山君からすれば、自分はいつもいつも自らを誇示するような言動をしていたのに、一言もしゃべらない真矢の方が明らかに目立っている。
そのことが気に入らなかったようだ。
「ブスのくせに、気取ってんじゃねえよ。おい、なんとか言ってみろよ」
真矢は葉山君を見たが、まるで興味がないかのように視線をそらした。
それが葉山君の気に障ったようだ。
「無視してんじゃねえよ」
葉山君は真矢の机を強く叩くと、真矢の頭をつかんだ。
見ていた委員長が思わず前に出ようとしたとき、真矢が葉山君を見た。
怖い目で。
とても八歳の少女の目とは思えなかった。
いや、しんやは今まで大人でもこんな怖い目は見たことがなかった。
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