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一緒にいて自然体でいられて、素直に甘えられる。こんな唯一無二の人に出会えたことも、これからの人生を歩んでいけることも……とてつもなく幸せな奇跡でしかない。
結婚式なんて、親と会社のための儀式的なものだって思ってたのに……一年もお預けされたらね、どんどん楽しみになって、海里と生きていく節目の儀式に思えてきたの。
だからね、人生の待ち時間って捨てたもんじゃない。
勿体無い、無駄にしたって文句を言いつつ、海里の言ったとおり、楽しみに待った時間が長いほど幸せの価値が上がるんだ。
「明日、楽しみだね!」
「……ふ、ご機嫌戻ってよかったです」
「海里も楽しみ?」
「んー……ちょっと、緊張してきたかもな」
「ええ?ふふ、失敗したらちゃんと慰めてあげるから、安心して」
ニマニマ笑って先ほどカウンターを受けたばかりの言葉を繰り返せば、「できれば失敗したくないんだけどな」と苦く笑われた。
さっきまで自信満々だったのに不思議。私の緊張が移ったのかな?……なんて。
相変わらず私は鈍感で。海里がくれたヒントに1ミリも気づかず、しっかりすやすや眠りについたのだった。
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