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 ベティ! ベティー!!  凍てつく寒さだった。ガラス片が刺さるような感覚を持ちながらも雪の上を裸足で走った。  背後には猟銃を片手に私の名を叫ぶ男の姿がある。男の手から放たれた弾丸は太腿の柔い場所を掠め、白い雪の上に鮮赤を撒き散らす。  裸の私に容赦のない男だ。  ベーティー、出ておいでー、隠れんぼは苦手だろォ?    記憶はそこでおわる
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