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俺は毎朝、井土の姿を探していた。ひと目見られればそれで良かった。本当に、ただそれだけだった。
きっかけは、単に井土が目を引く見た目をしていたからだ。
はじめはどちらかというと、いや、完全に好奇な目で見ていた。金髪のポニーテールなんて、いくら自由な校風がウリの学校といえど、新入学生でそれは目立ちすぎる。
同じ二年にはそんなやつは沢山いるが一応、受験を乗り越えてきたばかりの新一年生の見た目はまだ受験の尾を引いているはず。
髪色は合格発表の後に変えたとしても、そのロン毛でよく受験に挑んだものだ。
多様性が認められつつあるといわれているが、まだ時代は彼に追いついていない。ということは、相当な実力を持っているという証にもなる。
俺たちの通う学校は芸術系に特化した総合学科の高校で倍率も高い。
テストの点以外の実技試験の出来栄えがものを言うといわれているから、なおさらだ。
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