花鳥風月、友とする?

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 三学期の始業式、放課後の昇降口は賑わっていた。二週間ぶりに会った友達どうし、これからどこ行く? と、相談し合ってるんだろう。俺たち三年は特に、翌日から自由登校になることもあり、受験勉強の束の間の息抜きに繰り出そうと、集まる生徒が多かった。   「砂川。あそこ、ほら。井土だぜ」 「……ああ」 「メシ、誘ってみる?」 「は? なんで?」 「お前、ずっと気にしてたじゃん」  「べつに、そういうわけじゃない」と返した俺の声をかき消し、佐々木が大声をあげていた。   「いづちぃー!」  友達と二人でいた井土は俺たちの方へ顔を向けた。が、ただ見ているだけで返事もない。そんな様子に佐々木はムキになった。   「無視かよ。あいつ、シメてやる」 「おい! やめろよ!」  佐々木は腕を掴んだ俺の手を振り払い、井土のところへずんずん進んでいった。
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