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3. 85歳まで働くのか? 会社で働いていて老衰で死んだら補償してくれるのか? 今後、今のままの仕事が続けられるのか? 噂ではA Iにより人間は必要無くなることも? 俺はこんな事を思いながら暮らしていた。 俺の仕事は電気メーカーで職人として機械加工をおこなっていた。しかし、今ではA Iによってプログラミングされロボットアームにて加工部品を取り付け全ての工程に於いて完全自動化されていて… 人間の加工技能の必要性は無くなっていた。 俺が必要とされているのは稀にA Iがプログラミングした加工部品の精度が出ていない場合の検証を行う事であった。 そして、今は新しい製品開発に於いて人間の関与が無に等しくなっていた。 経営はA Iが蓄積している知識の検証を会社役員、経営責任者及びA I対応開発者、A I対応製品部門責任者そして…俺、A I対応加工部門責任者としていた。 従来は開発設計、製造(加工、組立)管理、営業、全て人間が行なっていたが、今はA Iが人間の中枢を行っていて新製品の販売まで軌道に乗れば全て行い、その後下請け会社に委託し工場を持たない会社となっていた。 そして、今回の定年85歳までの法令改定に伴い会社は人員整理を行い俺の部署が廃止され、俺だけがこの様なA I対応加工部門責任者と言うポストを与えられたのであり… 俺がいた部署残り20名はリストラされ事実上解雇となった。 俺はこれで良いのかと心の奥底に思いながら仕事をしていた。 「俺もこれからどうなるのか?」 「A Iの進化によって職を失っても?」 「これから俺が本当に出来ること?」 「人間が出来ることは果たして…?」 俺はリストラにより解雇された仲間の残像が脳裏に浮かび上がっては消え、休みの時はこれからの事をいつも考え悩んでいた。 「おとうさん、最近、物思いに耽っているけど?どうしたの?」 かみさんは俺の表情を見て心配していた。 「こんな世の中になって仲間はリストラされ…雇用が無いのに85歳まで働く?」 「凄く矛盾しているじゃあ無いか?」 「なんか違うんじゃあ無いかって?」 「政府は都合の良いことを最優先にして弱者を斬り捨てる…」 「政府はこうなる事は分かっていたよなぁ?」 「その日暮らしをしている貧民高齢者はこれからどうなるんだ?」 「これから出生率が上がる事は見込めない…?」 「これからどうするんだ!」 俺はリストラにより解雇された仲間の残像が再び脳裏に甦えった… 「おとうさん、おとうさんが考えても…」 「大丈夫よ、私がいるから…」 「これからなんとでもなるから…」 「おとうさん、A Iに出来ない人間にしか出来ないこと…絶対あるから!」 かみさんは俺を励ましてくれた。 「でも、それって何かなぁ?」 「おとうさん、何、ぐだぐだ言ってんの!」 「A Iに出来ない、人間にしか出来ないことを探すのよ!」 「それが楽しいの!」 「おとうさんにはそれを考える猶予があるの働きながらね!」 かみさんの前向きな姿勢が俺は嬉しかった。 かみさんは俺と違い常に肝が据わっていた俺が仕事で大きなミスをして落ち込んでいると… 「おとうさん、そのミスが今後、絶対役に立つことがあるから!」 「そのミスを教訓に後輩への教育に生かせば良いのよ!」 俺はかみさんの助言にいつも救われていた。 「そうだなぁ、何とかなるよな!」 「なるよ!でも考えようね夫婦で!」
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